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「会社を伸ばすための経営学」(2019年5月号)を掲載しました

2019年5月1日最新情報

「限られたスペースにまとめる」

深谷のみなさま、こんにちは。
私は、今、鹿児島県の奄美大島でこの原稿を書いています。
奄美だけではなく、全国から講演依頼が来ており、忙しく、訪問させて頂いています。とてもありがたいことです。
講演テーマは様々ですが、共通するのは、物事の本質を分かりやすく説明することです。
例えば、補助金であれば、公募要項が複雑なので、特に初めて応募する方は勝手が分かりません。
それもそのはずです。私も、補助金の審査に携わっていますが、補助金は、ある程度の公平性が求められますし、事故があってはいけませんから、問題になりそうなことを、事前に検討し、要項に列挙しておくのです。また、「見ていない」と言われてはいけないので、重要事項は繰り返し表記するようにしています。
でも、これってたまったもんじゃありませんよね。
なので、私は、最近「A3シート1枚で分かるシリーズ」をつくるようにしています。
補助金の概要から、押さえておくべきコツまでを、限られた1枚のスペースにまとめるというものです。
人には「記憶」という能力があるものの、たいていの場合、情報が目の前から消えた段階で意識から遠のいてしまいます。よく考えてみると忘れたわけではないのですが、数ページに渡る情報をまとめて理解しようとすると大変です。ちなみに私は、頭のスイッチが入っていないと数ページの観光ガイドでさえ、頭に入らず、今回も、奄美での半日の休日に何をやって良いのか分からなかったほどです。
しかし、補助金の60ページ以上ある公募要項から、1枚にまとめるのは至難の業です。
必要最低限の事だけを載せようとしても、うまくいきません。また、誤解されるからと、注意事項を考えられるだけ列挙していては、複雑になるだけです。
ですので、ここは、「これだけ理解して頂いて、失敗するようなら、私の責任だ!」とばかり、思い切って断捨離をします。(もちろん、セミナーの場合は口頭で補強しますが…)
また、表現の仕方も、箇条書きにしたり、図表を交えたりするなど、何度も何度も精査して考えていきます。
これは、勇気も努力も、多少の能力も必要なことですが、だからこそ、私は遠方からも呼んでいただけるのだと思っています。
もちろん、必要な情報を全て盛り込んで作らなければならないものもありますが、最初からスペースを決めて、その範囲内で表現することで、情報の優先順位や構造を研究し、工夫してまとめていきます。それが理解につながるのかもしれません。
また、逆も言えます。スペースが埋まっていなければ、スペース分何かを書こうと努力します。
そういえば、このコラムも、毎回、だいたいの字数を決めて、「何か一つ経営に役立ち、すぐに実践できる内容を盛り込む」という事を目標に書いています。
私が、できているか、できていないかは皆さんの判断にお任せするとして、おそらく、皆さんも、だいたい同じ分量だから毎月読めるといったことも多分にあると思います。
「今、うちに来ているお客さんってどんな人だろう」とか、「これからどんな店にしていきたいだろう」とか、何でもいいんです。皆さんも、A3用紙を取り出して、その範囲で書きだしていきながら、頭をまとめてみませんか?

(深谷商工会議所報2019年5月号より抜粋)

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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