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「会社を伸ばすための経営学」(2020年3月号)を掲載しました

2020年3月1日最新情報

「事業継承について重要なこと」

深谷のみなさま、こんにちは。
突然ですが、今、日本の社長の平均年齢は何歳だと思いますか。
実は約60歳(59.7歳)です。個人事業主を入れると、それよりもっと上がってしまいます。
また、この年齢は10年で2歳以上上昇しており、年々、経営者の高齢化が顕著になってきています。
事業の目的は「ゴーイングコンサーン」、すなわち継続していくことです。個人差はあるものの、人は必ず老いていくものですから、自分の社会人人生以上に会社や事業を続けるためには、事業承継が必要となります。当然、地域活性化のためにも事業承継は地域ぐるみで取り組んでいく必要があります。
このような中、山形県寒河江市では、本年度、事業承継を重点的課題として、市、商工会、事業者が連携して取り組んでいます。
事業承継がなかなか進まない理由の一つは、継がせる側と継ぐ側の意思疎通が進まないことです。
寒河江市では、まず継がせる側(現社長)を集め、既に事業承継を行って企業改革に挑んでいる企業の若い社長に講演してもらっています。目的は、事業承継時にどのようなことを思ったのか、それは事業承継後どう変わったのか、事業承継後何をどのようにしたのかをありのままに語ってもらい、それを参考にすることです。
次に、数回にわたり、後継者候補を集め、事業承継が終わり、退いた元社長や、既に事業を承継し10年程度経営している先輩経営者に体験を聞きます。また、私のような専門家が、事業承継実務や、事業計画書の作成など、事業承継やその後の経営に必要な知識や技術を講演していきます。
この企画のポイントは、3つあります。一つ目は継がせる側に事業を引き継いだ若手社長の、継ぐ側に退任社長の話を、いわゆる、たすき掛けで聞いてもらったことです。お互いのキモチを、実際に経験した他人、しかも立場が反対だった人から聞くことで、相手への理解を深めよ
うとする試みです。
二つ目は、講習会後、毎回必ず、講師を囲んだ懇親会を設け、とことん語り合ったことです。中には講演時間3時間、懇親会は4時間以上という日もありました。事業承継のカタチは千差万別でも、感情的な問題は結構似ているもので、とことん話し合うことで、理解や意思決定が進みます。
三つ目は、ほとんどの地域は地元講師を呼ぶことが多いのですが、あえて地元以外から講師を呼んだことです。事業承継はナイーブな部分も多いので、地元企業に話してもらうと、どうしても当たり障りないことが多くなってしまいます。実は、今回、寒河江市が呼んだ講師のほとんどが埼玉県の企業です。埼玉県の企業が山形県の企業の力になっているなんて、誇りに思いませんか。逆に言うと、私たちは、事業承継の先進事例になるような企業に囲まれていながら、その優位性を十分に活かしきれていないのかもしれません。
今度は、私たちが、寒河江から学ぶ番です。埼玉県深谷発の事業承継課題解決手法を創り出し、地元はもちろんのこと、他地域の発展にも貢献しようではありませんか。
(深谷商工会議所報2020年3月号より抜粋)

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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