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「会社を伸ばすための経営学」(2020年4月号)を掲載しました

2020年4月1日最新情報

「守破離」の心

深谷のみなさま、こんにちは。本年度も本コラムを担当することになりました。身近な経営学と経営のヒントをお伝えしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
私が毎年、新年度になると考えるようにしている言葉が、「守破離」です。
もともとは、千利休の訓をまとめた「利休道歌」の中の「規矩作法(きくさほう)守り尽くして破るとも 離るるとても 本を忘るるな」から引用した言葉と言われていますが、経営にも当てはまると強く感じています。
何か事を行うには、まずは「守」、つまり、素直な心で師の教えや型、伝統、セオリー、従来のビジネスモデルなどを学び守ること。続いて「破」、十分な習熟を積んだのちに、自分の頭で考え、試作を重ね、より自分に合った方法を模索することで既存のやり方を一部変え、新たな型やビジネスモデルをつくる。つまり、「型破り」は良くとも、「型無し」ではいけない。そして「離」、さらに鍛錬や実績を積むことで、型に囚われることなく自由自在に事を成すことができる。しかし、そうなったとしても、物事の本質や根源の精神を忘れてはならな
い。
人材育成においても同じかもしれません。まずは、従来の作業を十分できるようにして(守)、次に作業をカイゼンしていく(破)、そして本質を忘れずに、従来の型に収まらない新たな方法で新たなものに自由自在に挑む(離)。
今、経営者にも従業員にも、既存の伝統的な「型」を学ぼうとしない人が増えています。確かに、今までのやり方では通用しなくなっている時代に、今までのやり方を学ぶことは必要ないことのようにも思えます。しかし、非効率に思えようとも、理論的に説明できなくとも、理不尽に思えようとも、そのやり方があったからこそ今があるのです。長い間、その会社や業界、地域、社会を支えてきた実績のあるやり方なのです。自分が十分に習熟していない時期はそれに学び、習熟したり、新たなやり方を身に着けたりしたとしても、定期的に、原点に戻り、
歴史や先人のノウハウや習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
深谷商工会議所では、10年もの間、計画経営を推進しています。計画経営には事業計画書作成が必須です。事業計画においては、まずは現状分析をするのですが、そこで、私は、必ず事業や会社の歴史や、社長の過去の経歴、また、今まで気を付けてきたことや大切にしてきたことを聞くようにしています。それは、その事業や企業の原点であり、いわゆる企業理念だからです。もちろん、それを守っているだけでは、今の時代生き残ることもままならないかもしれません。ですから、新たな取り組みをタネとして経営に取り入れ、新たなビジネスモデルを考え、構築するのです。現代の計画経営にも活きる「守破離」の精神。是非皆さまも意識してみてはいかがでしょうか。
(深谷商工会議所報2020年4月号より抜粋)

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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