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「会社を伸ばすための経営学」(2020年11月号)を掲載しました

2020年11月1日最新情報

『私は渋沢で経営を貫こうと決めたのである』

深谷の皆さま、こんにちは。
私は、今、深谷商工会議所と一緒に、渋沢栄一グッズ開発事業に携わっています。私が担当しているのは、その根幹となる渋沢栄一の言葉の研究と取りまとめです。 もともと渋沢栄一翁は大好きだったのですが、あえて取りまとめようとするとなかなか進みません。
というのも、渋沢栄一翁の想いは「国力を強化して日本国民を豊かにしたい」ということで、教訓は多岐に渡り、平易な言葉でも、非常に奥が深く、読めば読むほど新たな発見があるのです。
当初、相当努力しましたが、正直言って、「とらえどころがない」と感じました。
また、渋沢栄一の研究者の方々は大変な努力をして研究を進められており、私が成せることはあるのかと落ち込みました。
そのようなとき、「自分の強みを発揮することができれば、短所は自然となくなる」という渋沢栄一翁の言葉を思い出しました。
渋沢栄一翁は産業の父と言われていますが、私にとってみたら創業の神様、いや経営の神様です。他の研究者と比べ、私の強みは経営者であること、経営学の人間であることです。
そこで、渋沢栄一翁の言葉「私は論語の教訓に従って商売し、利殖を図ることができると考えたのである」ならぬ「私は渋沢の教えに従って業を創り、経営できる」と考えてみました。
渋沢栄一翁の言葉を経営の観点から見ていくと、ありとあらゆる方面から現代経営に使える教訓があります。
かの有名なピータードラッカーが、「率直に言って私は、経営の『社会的責任』について論じた歴史上の人物の中で渋沢栄一の右に出るものを知らない。彼は世界の誰よりも早く、経営の本質は『責任』に他ならないということを見抜いていたのである」と言ったように、“先駆者”という捉え方もできます。
しかし、驚くべきは、渋沢栄一翁の言葉が現代経営学の基礎をほぼ網羅しているという点です。
渋沢栄一翁は道徳を「不変の真理」と言っていますが、渋沢栄一翁の教訓は、経営における不変の真理とも言えるのではないでしょうか。
例えば、流石に渋沢栄一翁の時代は顧客ニーズの考え方はないだろうと思っていましたが、渋沢栄一翁は「忠恕」の概念の中で「人の欲することを思いやり、先回りして準備するようにするのだ」と言っています。一般的に顧客ニーズの把握は、アンケートのようなもので調査するものと考えられていますが、実は現代経営学では、アンケート等では本当の顧客ニーズを探ることができず、「アンケート等の調査を参考にして、売手が顧客ニーズを仮説立て、検証することで本当の顧客ニーズが分かる」というのが主流です。まだ、マーケティングという概念さえなかった時代に、商売も思いやりだと断言したのは、先見の明というよりも、既に渋沢栄一翁の中では現代経営学が完成していたとしか思えません。それどころか、「コロナ禍の中、我々はどのような経営をすれば良いのか」、「リモートワークなどの新たな働き方が出てきたときの対応と注意点」など、我々が新たに直面した経営課題の対処法まで語っています。
涙が出るほど感動してしまいました。渋沢栄一翁は「天に『恭』・『敬』・『信』の畏怖の念を抱きなさい」と言っています。私は正直言って、渋沢栄一翁に畏怖の念を感じざるを得ません。
私も経営者です。渋沢栄一翁は「私は論語で一生を貫こうと決めたのである」と言っていますが、「私は渋沢で経営を貫こうと決めたのである」そんな決意です。みなさんも、渋沢栄一翁の教えを経営面から考えてみませんか。

(深谷商工会議所報2020年11月号より抜粋)

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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