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「会社を伸ばすための経営学」(2021年6月号)を掲載しました

コラム
2021.6.1

「心に響く渋沢栄一翁の言葉」

深谷の皆さま、こんにちは。
先月のGWはいかがお過ごしでしたか。
今年はコロナの関係で、遠出ができないこともあり、私は、子供たちと読書をしたり、ゆっくり一緒に風呂に入りながら普段できない話をしたりして過ごしました。たまにはこういうのも良いかもしれませんね。
深谷商工会議所の本年度の企画にも関連してくるのですが、「渋沢いろはカルタ」が完成しました。多少切り貼りしていますが渋沢栄一翁の言葉だけでつくられたカルタです。今回は、その中でも、私が好きなものを紹介したいと思います。
「か」…限りある資産を頼りにするよりも、限りない資本を活用する心掛けが肝要である。限りない資本を活用する資格は信用である。信用はのれんや見た目から得られるものではなく、確固たる信念から生まれる。
(意味)金や設備などの有形資産などは、どうしても限りがある。それらを頼りにするよりも、無限に作ることができる無形資産を活用することが肝心である。無形資産の中でも特に信用が一番大切なのだ。大きな信用があれば、多くの資本を調達して活用することができる。だから、世の中で大いに活躍しようと志す人は、信用を得ることを心がけなさい。そして、信用は確固たる信念から生まれる。信用を得るためにも信念を固めるのだ。
経営をしていると、どうしても売上やコストが気になってしまいます。もちろん、経営者がこれらを気にせず経営をしていたらもたないわけですから、それは非常に大事なことです。しかし、私たちは、一時の損得に目がいき、信用とかネットワークとかノウハウの取得を逃して
いることはないでしょうか。渋沢栄一翁は、実はお金よりも、信用などの無形資産が大事だ。お金は有限であるが、信用やネットワーク、ノウハウは無限で、これらがあればお金を調達できるから、まずは信用を得ることを心がけよ。と教えてくれています。
「せ」…成功や失敗のごときは、ただ丹精した人の身に残る糟粕(そうはく)のようなものである。得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて落胆せず、常操をもって道理を踏み通すように心がけて出ることが肝要である。
(意味)結果だけを追い求めるようなことはしてはならない。その時々の結果など、長い人生においては残り糟のようなものである。最終的には誠実に努力した人に天は微笑むのだ。
成功しようが失敗しようが、超然として道理に沿って進み続けるのだ。うまくいっているからといって気を緩めたり調子に乗ったりしてはいけない。逆にうまくいっていないからといって落胆し自暴自棄になってもいけない。感情的にならず、節操を持ち、どんな時も道理を通すよ
うにするのだ。
私は、カルタとして使うよりも、カードを机に飾り、毎日1枚ずつ渋沢翁の言葉を噛みしめています。これも私たちの地元に残る無形資産(財産)ですね。皆さんもカルタを使って渋沢栄一翁の言葉をダイレクトに学んでみませんか。
(深谷商工会議所報2021年6月号より抜粋)

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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