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「会社を伸ばすための経営学」(2021年8月号)を掲載しました

コラム
2021.8.2

「おみやげ地元内需拡大作戦」

深谷のみなさま、こんにちは。
 突然ですが、私は、菓子折りをよく買います。もともとは、経営の基礎を教えてくれたじっちゃんが、「大人に現金3,000円をあげても大して喜ばないが、不思議と3,000円の菓子折りを手土産にすれば、たいてい喜ぶ。たとえ、相手が甘いものが苦手でも、家に持ち帰ることもできるし、社員や他の方に差し上げることもできる。それに、ほどほどにしか持たないから消費して無くなるし、種類も豊富だから相手も飽きることない。だから菓子折りを買うのは、効果的な3,000円の使い方だ」と教えてくれたからです。
 本当であれば、遠方に行くときなど、地元の菓子折りを持っていくと良いのですが、埼玉県は意外とお土産が少ないし、買いに行く時間が無かったり、荷物になることを面倒に思ったりして、うまくいきません。そこで、最近は、「失礼かな」と思っても、現地で調達し、「そこで見かけて、おいしそうだったから・・・」なんて言いながら、相手に渡すようにしています。すると、結構な確率で、帰りにお土産をいただくことがあります。別にそれを期待していたわけではないのですが、ちょっとしたお土産はうれしいものですし、まだ小さな子供がいる我が家にとっては、この「パパのお友達からの」お菓子は大好評です。最近は、「パパは、こんなにおいしいお菓子をもらえるほど、すごい仕事をしているんだ」なんて思ってくれたりして、パパの威厳復活にも一肌脱いでくれているようです。
 先日、兵庫県の丹波においても、そのようなことがありました。丹波といえば、黒豆や栗を使った羊羹が有名です。単純に私が食べたかったからなのですが、羊羹を一人では食べきれないし、みんなで食べた方が楽しいので、セミナー参加者分もドンと買って、お茶菓子付きのセミナーにしてしまいました。結果、いつにも増して質問が出るなど、和やかな良い雰囲気のセミナーになり、費用対効果を考えても、非常によかったと思っています。
 ふと思ったのは、コロナ後、観光業全般が苦しんでいる今だからこそ、こうやって、地元やビジネスユーザーが、一見無駄遣いに見えるちょっとしたお土産を買うことを意識的に行うことで、地域経済が活性化するのではないかということ。
 今回私が買った和菓子は10,000円程度。ちょっとお高めですが、セミナー参加者人数を考えれば、一人当たり300円程度ですので、リーズナブルです。いくつか、5,000円くらいの返礼のお土産をもらいましたし、その後、おかわりのセミナーが来ましたので、営業コストを考えれば、大幅にプラスになってしまいました。地域経済効果を考えると、ちょっと気を利かせて買った菓子折りが大きな効果を生み出していると言えます。もちろん、私の価値あるセミナーが地域経済効果を上げたことも見逃せません(笑)
 まあ、私のセミナーの評価はともかく、こうやって「意識的に使う」ことによって経済は潤うのです。私たちは、今、コスト削減や無駄なものを買わないといった風潮の中、どうしても縮小経済の渦に入っていってしまっています。もちろん考えずに散財することはいけませんが、地元のものを意識的に買い支えるような考えを持つことで、私たちが最も大切にしなければならない地域経済が支えられていくと言っても過言ではないかもしれません。みなさんも、おみやげ地域内需拡大戦略を実行してみませんか。
(深谷商工会議所報2021年8月号より抜粋)

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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