深谷商工会議所が運営する起業支援サイト

お知らせ

「会社を伸ばすための経営学」(2024年1月号)を掲載しました

コラム
2024.1.1

「大谷翔平選手の契約内容」

 深谷の皆様、明けましておめでとうございます。今年は、いよいよ渋沢栄一の一万円札が出る年ですね。深谷も7月に向けて最後の踏ん張り時です。とても楽しみですね。
 さて、大リーグ大谷翔平選手の移籍が決まりました。結局、一番人気のドジャースということで落ちつきましたね。ロサンゼルスは日本とも縁が深い土地です。アメリカでもっとも多く貿易をしている都市ですし、私の留学先ということもあるのですが、交流も長く深い。私も応援に行こうと思います。
 彼の契約が話題となっていますが10年約1015億円という破格の契約とのこと。これは史上初ということですから、日本人として誇り高いですね。しかも、その中身が異例中の異例で、『即払い』される年俸は、わずか200万ドル(約2億9000万円)で、総額の97%に相当する残り6億8000万ドル(約986億円)は、契約満了後の2034~43年に後払いされるとのことです。アメリカは、いわゆる贅沢税という、選手に年俸を過度に払いすぎると支払わなければならない税金がありますから、ドジャースは、それが軽くなるため、大変助かります。また、その分、余裕も出るため、まだまだ補強できる可能性があるのです。
 もう一つが、契約途中に解除できるオプトアウトの放棄です。普通、長期大型契約をすると、途中で成績が急上昇したり、事情が急変したりするので、この権利は付けることになります。じゃあなぜ大谷は付けないのかと言うと、ドジャースに骨を埋める覚悟だからなんでしょうね。長期的に安定してチームに居たいなんて、すばらしいと思いませんか。
 さて、この契約をみて、何とも日本人ぽいと思ったのは私だけでしょうか。昨今、個人主義に走りがちですが、個人を尊重しながらも、チームのためとか、環境のためとか、そういう全体の事を考えての契約になっています。狭い意味では、相手の立場を考え、相手の顔を立てることで、より良い条件を引き出したもと言えそうですが、大谷はそんな考えではなかったでしょうね。おそらく、自分の事だけではなく、広く全体を考え、最適な解を出したのでしょう。
 海の向こうの契約を見て、今、正に、日本人が無くそうとしている気概というか、心意気というか、日本人魂のようなものを思い出しました。大谷のような契約はないにしても、私たちも是非、自分たちが所属するチームを、地域を、もっと大切にしたいものですね。

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

GO TOP