「会社を伸ばすための経営学」(2024年2月号)を掲載しました
「ロジカルシンキングで深く考える」
深谷の皆さん、こんにちは。
私は物事を捉える時にロジカルシンキングという思考法を使っています。ロジカルシンキングとは、理論的思考法の事で、物事を体系的に整理して筋道を立て、矛盾なく考え続ける思考法です。
その一つが、何か1つの現象が起こったとき、それを理由、効果、具体、結合、分解、反対、視座の7つの方向から考えるというものです。「最近、店のお客さまに男性客が増えてきた」とします。理由、つまり「それはなぜ起こったのか?」を考えます。例えば、品ぞろえが男性好みになってきているから。次に、効果、つまり「そのメリットは何か?」と考える。高くとも良い商品を買ってくれるとか。そこから具体、「具体的にはどういうことか?」、〇〇と××が売れている。結果、「ということは、どんなことが言えるか?」、原因、「その原因は何か?」、反対「そうじゃなかったらどうなるか?」、視座。「別の見方をすると何が言えるか?」と次々考えていく。
この思考法のメリットは、考えるべき項目の落ちを極力なくすことです。一見、複雑そうに見えるこの考え方ですが、難しいのは最初に質問を覚えるところだけです。後は、その質問に沿って考えていくだけ。考えていけば無駄な考えや、使えなそうな考えも出ることでしょう。同じ現象を見ても、考える時によって変わってくるかもしれません。
でも、それでいいのです。人間は同じところを考えてしまい、思考がそのまま、その場で止まってしまうことが多くあります。だから、強制的に切り口を変え、全ての方向から考える癖をつける。要は、もれなくダブりなく考えるのです。そして、出た答えが、今の自分にとってベストな答えだということを忘れてはなりません。ここで注目すべきは、「今の自分にとって」です。この考えを、深く熟考したり、他人からのアドバイスを聞いたり、何か別の事を学んだりすることで、また考えが変わるかもしれません。つまり、考えるのを止めてしまうのが、一番危険なのです。これが、ロジカルシンキングが「継続的思考法」と言われるゆえんです。
ロジカルシンキングは、この他にも、発想法6つの切り口(7つという説もある)や事業展開に必要な9つの切り口(イノベーションマトリックス)など、考える切り口を用意してくれています。学び方は、この切り口を覚えて使いこなすだけ。こうやって、検証された考えの元、取捨選択を繰り返して、様々なことを判断していくことで、柔軟な経営が生まれてくるのです。こう考えれば、ロジカルシンキングも学んでいけると思います。
今年は、能登の地震や日航機の事故など、年始早々、波乱の年となりました。例年にも増して、柔軟な判断が必要となる年なのかもしれません。皆さんも、ロジカルシンキングを学んでみたらどうですか。
株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩