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お知らせ

「会社を伸ばすための経営学」(2024年5月号)を掲載しました

コラム
2024.5.1

「会社の変革」

 深谷の皆様こんにちは。
 先日、私が株主を務める会社の社長が自宅に来たいとの申し入れがありました。内容は、業界の再編成に向けて、会社形態を変えるとのことです。詳しくは書けないのですが、大ざっぱに言うと、「業界が動いている。わが社は、業界平均から見ると、いささか大げさな布陣となっている。これでは、スピーディに動けない。したがって、臨時株主総会をやって縮小化したい。」という内容です。
 近年の業界の動きは分かっていますし、縮小化も仕方がないとは思いますが、そもそも、未来の企画が何もないのに、動きやすい体制をつくるというのは、順番が違うのではないでしょうか。「スリム化すれば、余裕が生まれ、そこから次の企画が思いつく」ということもあるかもしれません。他の会社と足並みを揃えるというのも経営をしていると考えるのかもしれないとは思います。
 でも、「今、数年とはいえ資本的余裕があるときに、次の芽をいくつか作っておく。そのために、スピーディな体制をつくりたい」ということが本筋です。この会社は、まだ、海外事業だとか、新規事業だとか、やることや課題は山ほどあるのです。目的が定まらない中で、どうしても緊急性のある改革以外をやる必要性はあるのでしょうか。
 近年、私たちの周りでは、体制を整えることが目立ってきています。何度も言うように、それ自体に反対をしているわけではありませんし、中には緊急性のあるものもあるかと思います。でも、本来は、未来に向けてこういったことをやる、こういったことに将来性を感じる、そのためにこういう体制をつくるというのがあってしかるべきだと思います。
 今、私たちは過渡期を迎えている企業もあり、多くの会社でイノベーションが求められています。イノベーションとは、商品やその売り方において、今までにやったことのない画期的なことを行う。そしてそれをきっかけにして、ビジネスに大きな変革を起こすことです。それは、何も大きなことでなくてもいいのです。小さくても、大きく育っていくというプランがあればいいんです。失敗したら、また新たなきっかけをつかめばいいのですから。
 今こそ、私たちも、イノベーションを考えていきませんか。

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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