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「会社を伸ばすための経営学」(2024年6月号)を掲載しました

コラム
2024.6.1

「インバウンド」

 深谷の皆さん、こんにちは。
 最近、インバウンド需要が大きくなってきたと思いませんか。
 深谷の街を見ても、何となく増えている印象はありますが、東京の銀座や京都などの観光地を見てみると、半数以上、もしくは歩いている人ほとんどが外国人なんて言うのも見かけます。
 この最大の原因は、しっかりと品質が良いものを提供してきたことに加え、円安になったことが大きいでしょう。飲食店などを見てみると分かりやすいのですが、もともと日本のレストランは品質の良いものを、安く提供してきました。そして、ここ20年では、ほぼ値上げはありません。更に、近年の円安で、外国人観光客にとっては、2割ほどのバーゲンセールになっているのです。あくまで、これは数字上の事ですが、アメリカの所得は、日本人の約2倍となっていますから、アメリカ人は日本に来ると何でも半額といった感覚なのかもしれません。
 このような状況の中、私たちはどのようにしていけばよいのでしょうか。円安はネガティブ要素も大きいですが、今回はあえて、この円安傾向の中、ポジティブなものを上げていきます。
 まずは、インバウンド客に向けた取り組みです。こういう風に言うと商品やサービスを外国人向けに改良していくと考えてしまいますが、皆さんが海外に行った時を考えてください。日本人用にアレンジされたものを食べたいですか。違いますよね。おいしいもの、現地の人が食べているものが欲しいですよね。だから、これは普段の商売をまじめに突き詰めるということです。ただし、説明とか食習慣の気遣いは必要です。大事なことは、安いんだから高く売ろうではなく、あくまでも良いものを安くというコンセプトを忘れないことです。 
 次に、株式投資です。今、日本の株式は、一時の高値には届かないものの、全体的に高水準です。しかも海外からの資金が多く入っています。海外からの投資は、有名どころの株に集中しますので、そのような株か、投資信託がおすすめです。
 最後に、地域の魅力発信です。外国人は、日本のメジャーな観光地も好きですが、日本人の気が付かないところにも魅力を感じます。例えば、野菜をテーマにした博物館など、日本人には魅力がいまいちなところや企画でも、PRの仕方によって、人気が出てきたりします。深谷だと、今は何といっても「渋沢栄一」ですね。でも、まともに渋沢と言っても、外国人には知名度がありません。そこに工夫が必要です。大事なことは、お金を落としていく「しくみ」をつくっておくことです。渋沢グッズや何らかの入場券など、課金することが肝心です。
 日本政府も円安を止めようと必死です。でも、多少ふらつくかもしれませんが、長期的に見ればこの傾向はしばらく続くでしょう。円安の是非は置いておいて、今、何が私たちにできるのかを考えていきましょう。

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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