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「会社を伸ばすための経営学」(2024年8月号)を掲載しました

コラム
2024.8.1

「映画館で思うこと」

 深谷の皆さま、こんにちは。暑い日が続いていますね。あまりにも暑いので、映画館にでも行こうと思い立ち、久々に映画を堪能してきました。息子もいたので「キングダム 大将軍の帰還」という映画を見たのですが、結果的に大満足です。
 中でも、王騎(おうき)という大沢たかおが演じていた将軍がいるのですが、これがカッコイイ!なんてものじゃありません。私は断然、この王騎の大ファンです。でも、主役でもないのに、なぜこれほど私の心を動かすのか。それは、日本人が抱えるリーダーシップを表しているからだと思います。
 まず1つ目は、なんといっても「強い」ことです。作中でもバッタバッタと敵をなぎ倒し、それでいて、涼しい顔をしています。やっぱり強いリーダーには、皆が憧れるのですね。2つ目は、その「強さにストーリーがある」ことです。王騎にはかつて恋人を殺された過去があります。そのことが王騎をここまで強くしたのですが、その過去にも引きずられながら生きています。今回はその因縁の相手が出てきます。3つ目が、「ピンチに動じない」ことです。王騎は策にはめられ大ピンチに陥るのですが、冷や汗をかきながらも、味方に「動じる、あなたの背にはこの王騎がいます」と言います。こんなこと言われたら10倍の敵だって戦えるかもしれません。4つ目が、「悲運だった」ということです。これから映画を見るという人もいるかもしれませんので割愛させていただくのですが、実は日本のリーダーシップ像にはここが欠かせません。そして5つ目が、「後進をつくった」ところです。実際、こういったところは、映画などでは描かれないことも多いですが、王騎が後進を育てていくところは、見どころの一つではないでしょうか。
 キングダムは原作が72巻と超大作(実はまだ終わっていません)なのですが、原作を読んでいる方でも、王騎が一番好きという方が未だに多いのです。確か、何かの人気投票では、1位だったかと思います。なぜ、ここまで人を引き付けるのか、それは、「日本の経営者ができない理想」だからと言えそうです。王騎のようなリーダーにはなれそうにもありませんし、現代には向かないかもしれません。でも、そこを目指し、王騎のようになりたいと努力することは、古き良き日本を体現する、良き習慣なのではないのでしょうか。今度、皆さんと是非、王騎について語り合ってみたいですね。

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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