教訓1 利得と道徳を合一せよ 6
渋沢栄一の教え
2024.12.1
意思の強固なるが上に聡明なる知恵を加味し、
これを調節するに情愛をもってし、
この三者を適度に調合したものを大きく発達せしめていったのが、
始めて完全なる常識となるのである。
もちろん、偉い人の排出を希望するのであるけれども、
社会の多数人に対する希望としては、
むしろ完まったき人の世の隈なく充たんことを欲する。
つまり、常識の人の多からんことを要望する次第である。
「常識とは、強固な「意思(意)」の上に、物事を見分ける聡明な「知恵(知)」を加え、
「愛情(情)」をもってバランスよく調合し発展させたものだ。
常識があるからこそ、これを土台として、多くの才能が生まれる。
知、情、意の充実した常識を育むのだ。
もちろん、少数の傑出した人物は必要だが、大多数の人が常識人であることが良い社会なのだ。
今日、物事が滞ってしまっているのは、決め事が多すぎるからである。
法律やルールを制定するのは一見もっともであるが、
愛情によって成立する関係を壊すことにつながる。
根底に常識があれば、お互いに思いやりを持ち、
調和が生まれ、円満な社会となる。
何にでもルールをつくらなくてもよいはずだ。
※多種多様な企業の設立・経営に関わり、日本資本主義の父と称される地元の偉人、渋沢栄一翁の名言や考え方は、現在の経営にもつながります。コロナ禍もあり厳しい時代だからこそ、渋沢栄一翁の考え方を活かして企業の発展に貢献できればと思い、毎月発信いたします。