「会社を伸ばすための経営学」(2025年6月号)を掲載しました
「インバウンド対策」
深谷の皆さん、こんにちは。初夏の季節になりましたね。皆さんはどうお過ごしですか。
最近、街に出ると目につくのが外国人ですね。アメリカ、台湾、中国、ヨーロッパはもちろんの事、最近はタイ、オーストラリアなども増えてきています。もちろん、インバウンドにのって商売をされている方もいますが、ごみ問題や騒音問題、最近ですと、物価の高騰やホテル等の価格の上昇など問題も多発しています。
中には、「最近の日本はどうなっているんだ」といった極端な方もいらっしゃいますが、私はこの現象を楽観視しています。どうするかというと、「自然に任せる」というか、「そのままにする」で構わないのかなと思っています。
なぜか。まず、今回のインバウンドとスマホの普及が関係しているからです。今までの日本は、どうしても言語の問題がありました。昔ほどではありませんが、今でも、英語に苦手意識を持っている人は少なくありません。私自身、貿易をやっていますが、英語でコミュニケーションが十分にとれるかというと、ちょっと自信がないです。でも、最近は、スマホがあれば、日本地図が出て、目的地を入れればそこまでの交通手段や周辺情報が自国の言葉で出てきます。翻訳機能だって、性能が上がってきています。
次にSNS、YouTubeなど、人々が気になる面白情報を手に入れやすくなったことが挙げられます。やっと、世界が日本のおもしろさに気づいたと言えるでしょう。あまり海外に出ない方は理解できないかもしれませんが、日本には、アニメ文化やきれいな街並み、おいしくて安全な食事など魅力的なコンテンツがたくさんあります。ただ、これらが、世界の観光地と比べると、どうしても派手さがなく見劣りしていました。でもSNSやYouTubeのおかげでそれがダイレクトに正確に伝わるようになったのです。
3つ目を挙げるとすれば安さですかね。現在の為替を見ると、一時期よりはとはいえ、円安の傾向です。ほとんどの国の外国人にとってバーゲンセールのようなものです。今とは逆ですが、私が学生のころ、1ドル90円くらいの時がありました。その時、私はヨーロッパに遊びに行ったのですが、貧乏学生が豪遊できたのを覚えています。
もちろん、改善の努力はするのですが、私は「そのままにする」のが最良と思っています。
それは、日本人の持っている自然最適の力を使うということです。私の事務所は銀座にあるのですが、銀座の街を見てみると、外国人が半分くらいいるのではないでしょうか。
でも、統計上はそんなことありません。日本人は、自分の好きなバーとか、自分の趣味の場所とか、裏通りとかにいます。それは、迫害されたというわけでもありません。
物価もそうです。一時期よりも高くなったとはいえ、まだまだ日本が安いのは、外国人が食べに来ているところと、日本人が食べるところが住み分けされているからです。「いやいや、私が食べているところにも外国人が来ている」、とおっしゃるかもしれませんが、銀座の高級レストランには外国人9割というところも少なくありません。そういうところは、多少高くてもお客は来ます。でも、だからといって、日本人の2倍取るところは、長期的にはつぶれていくでしょう。私たち日本人は自然最適の力があるのです。特別なことはせず、自分のビジネスを向上させていけばよいのです。
株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩