「会社を伸ばすための経営学」(2023年6月号)を掲載しました
「小学生の教育と経営」
深谷の皆様、こんにちは。
私には、小学6年生になる娘と4年生の息子がいます。
自由奔放に育ててしまっていますが、小学6年生ともなると学校の勉強も難しく、遅ればせながら、少し勉強を見ることになりました。とはいっても、仕事ばかりしてきた私。小学校の勉強など、40年ぶりです。仕方ないので、ここも専門の経営学を駆使することにしました。
ゆとり教育の反動なのか、今の小学生は、私のころと比べても、たくさん勉強しています(させられています?)。教科書も上下になっていたりしていて、分量質ともに充実している他、宿題も大量に出ています。更にタブレット学習、英語学習、プログラミング学習までやるのですから、本当に大したものです。そうなると、もはや担任の先生だけで全ての教科を教えることができないのか、算数の先生、社会の先生、体育の先生など、クラスを飛び越えて教える体制もできているそうです。素晴らしいですね。
そのような中、教育に全く無頓着だった私が、どのように教えていけば良いのか、本当に悩ましいです。
経営学の側面から、今の小学生に必要なものは何か、いくつもあると思いますが、あえて3つ挙げるとすると、私なら、「言語化能力」、「習慣化」、「原因と結果の法則」です。
言語化能力とは、簡単に言うと言葉として表現する能力です。小学生の勉強で言うと、インプットしたものを話してみるとか、プレゼンするとか、教えるとかということです。私たちは、毎日、自分の事業を営んでいるのに、いざ、事業計画において現状分析をしようとすると筆が止まりますよね。つまり、よくわかっていること、よくわかっているつもりになっていることも言葉にすることはとても難しいのです。ですので、例えば、お風呂で内容を総括的に話すとか、1枚の紙にまとめさせるとか、ところどころで言語化する機会をつくることが大切です。
習慣化とは、簡単に言うと、良い意味でのルーティンをつくることです。自分が子供の時を思い出すと、どうやって勉強をすれば良いのか分からずに、そのまま、嫌になって何もしないことがほとんどでした。「算数の勉強は、学校から帰ってきたら、この問題集とノートで、とりあえず〇〇をやって、××をやる」といった勉強の型やペースをつくることで、すぐに行動に移せます。肝心なのは、負担を過度に感じない負荷量と「やらなくちゃ」と思わなくても、とりあえずやれるようになるまでやり続けるということです。経営の世界では、復習よりも予習を大切にしています。学生の勉強においては、特にテスト対策など、復習が大事とされる傾向がありますが、理解度は度外視してどんどん予習をさせ、その代わり、繰り返し学習していくような勉強方法はいかがでしょうか。
そして、原因と結果の法則ですが、「これはなぜそうなったのか?」と考えながら進めていくことです。特に社会の歴史などは、暗記することに集中しがちですが、ところどころで立ち止まり、なぜ、こうなったのかを考えていくことで、流れがつかめます。算数だって、解答方法を丸暗記させるのも良いですが、できる限り理論的な背景を教えてあげたほうが良いかと思いますし、特に私のように暗記が苦手な子(私の子も遺伝なのか暗記が苦手です)には、背景や成り立ちなど包括的に教えることで、情報量が多くなったにも関わらず、却って記憶が定着します。もちろん、これは言語化能力の育成にも良いことでしょう。
経営にとっても、人材育成はとても大事です。後進の育成は、私たちにとっても、得るものが多くあります。未来の子供たちを私たち実業界からも育ててみませんか。
株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩