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「会社を伸ばすための経営学」(2024年3月号)を掲載しました

コラム
2024.4.1

「令和6年の施策」

  深谷の皆さん、こんにちは。
 今日は4月ということで、毎年恒例の政府施策について、語っていきたいと思います。
 政府の予算は、年度初めには予算組みされ、4月から施行されます。今年も予算が出ていますので、これを見れば、だいたいの方向性が見えてきます。今回は皆さんに最も関係してくる中小企業庁の予算について解説していきます。
 令和6年度の予算は、「物価高、人手不足対策」、「中小企業・小規模企業の成長支援」、「事業承継対策」、「地域における取組の支援」と4つの柱があります。そのうち、直接補助金として配られる「ものづくり補助金」、「IT補助金」、「事業再生補助金」は成長支援、「事業承継、引継ぎ補助金」は、事業承継対策です。これは、令和4年度補正の予算です。当初から、数年分予算として取り、それを活用するということで、予定通りではあるのですが、結果的に、目新しさはなく、また、予算規模も縮小されています。では、その予算はどこに行ったのでしょうか?
 それは、中小企業へ行ったのです。
 えっ、中小企業?そのままじゃん。なんて思わないでください。中小企業と言っても、様々な大きさがあります。資本金5千万円、従業員50名以下のサービス業、資本金3億円、従業員300人以内の製造業なども中小企業です。私が言っている中小企業とは、いわゆる上の方、つまり、地域経済の中核を握るような企業です。つまり、大多数の小規模企業や小さな中小企業に対するケアが弱まる方針であると言わざるをえません。
 これを受けて「国は私たちの事を見捨てるつもりか!」って、事を荒立てるのには、私は反対です。理由は3つあります。1つ目は、確かに今までと比べたら縮小と言えるのですが、ここ数年間が異常だったと考えるのが良いということです。ここまで、国は小規模企業や中小企業を、大規模予算を投じて保護してきました。それは、ある意味、異様と思えるほどです。2つ目は、そうは言っても、この傾向は緩やかに進んでいるということ。今回も一応目立った補助金などは残しています。そして3つ目。これがある意味最も言いたいことなのですが、小規模企業や小さい中小企業はしっかりと2の足で立っていってもらいたいことです。
 本来、私たち小規模企業、小さい中小企業は自分たちのアイデアと工夫で生き残ってきました。ところが、近年はその独自性が消えてしまい、補助金に頼っている企業もあります。そんな小規模企業、小さな中小企業にもう一度、付加価値、差別化で勝負していただきたいのです。
 付加価値とは、お客様の喜びです。お客様はどんなことで喜んでいますか?これから何をやれば喜んでくれますか?差別化とは、私たちのビジネスの特徴です。私たちの優位性はどこですか?どんな工夫をしていますか?それは、勝手に思っていることではありませんか?
 数年ですが、私たちには、まだ時間があります。今回、補助金が残っているのを見ても、国の方針は、急には大きく変わりません。それでも、徐々に補助はなくなっていきます。その限られた数年で、もう一度、付加価値、差別化を考えてみませんか。

株式会社ディセンター代表取締役 折原 浩

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